「無着色の方が、かえって添加物を使っていることがあるんです」
近年、コーヒーなどの飲料をはじめさまざまな食品に増えている「低糖」や「減糖」などのうたい文句も、すぐに“健康によさそう”などと思ってしまわない方がいい。健康増進法栄養表示基準では、100ミリリットル当たりの糖質が2・5グラム以下であれば“少なく含まれている”という表示が可能だ。
「これは、200ミリリットルのコーヒーに、砂糖を最高で5グラム入れてもよい計算。1本3グラムのスティックシュガーが2本弱ですから、少ないとは言い難い量です」
ただし、砂糖には防腐効果もあり、例えばジャムなどで“甘さ控えめ”の場合、防腐効果を補うために食品添加物がプラスされている可能性もある。
「本書は“これを食べてはいけない”と訴えることが目的ではありません。せっかく食品表示がされているのですから、やみくもに飛びついたり、完全に排除するのではなく、自分の口に入るものをきちんと見定めて欲しい。食という生きる基本への関心を深めることは、自分を大切にすることにもつながります」
(筑摩書房 780円+税)
▽やまなか・ひろみ 料理研究家。ル・コルドン・ブルー グランディプロム取得。日本フードコーディネーター協会認定フードコーディネーター。現在、毎日新聞社の「毎日夫人」にレシピを連載中。