「認知症と生きるということ」岩田誠著

公開日: 更新日:

 脳神経学研究の第一人者である著者は、認知症は症状が起きてしまったら治る病気ではないため、いかに受け入れるかが大切だと説いている。実は認知症の症状は、周囲が否定したり正そうとさえしなければ、多くの場合で治まるのだという。
 特徴的な症状のひとつに、財布を盗まれたと騒ぐなどの被害妄想がある。認知症では、記憶の形成ができなくなることでさまざまな勘違いが起こり、これが妄想という形で表れてしまう。ならば、大切なものは必ず目に見える場所に置いて、なくなったと勘違いさせないようにすればよい。
 また、過剰な安静や孤独によって脳が“遊んだ状態”になると勘違いが起きやすくなるため、常に話しかけたり体に触れたりすることで、妄想は治まってくるそうだ。(日本評論社 1400円+税)


【連載】気になる新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情