はたしてこの方法で安倍政権に対抗できるか

公開日: 更新日:

「亡国の集団的自衛権」 柳澤協二著 (集英社新書)

 小泉純一郎政権、安倍晋三第1次政権などの内閣官房副長官補(事務次官級、防衛省出身)をつとめた柳澤協二氏は、安倍政権が強行しつつある集団的自衛権行使がとんでもないものであると厳しく批判する。

「アメリカの船を助ける」というような事例が、現実性がまったくないとの指摘はその通りと思う。

 柳澤氏は、それにもかかわらず、安倍政権が集団的自衛権容認に突き進む理由についてこう説明する。

〈私は、安倍政権が、憲法と歴史認識に挑戦する点で歴代自民党政権の中でも異質なものであり、それが安倍総理個人の願望から出発しているために論理的な説明がなく、政策としての説得力がないこと、自民党の中にも安倍政権のやり方に異論を持っている政治家が少なくないことを指摘します。〉

 ここまでは、評者も柳澤氏と同意見だ。安倍政権の特徴は反知性主義にある。反知性主義とは、実証性、客観性を軽視あるいは無視し、自らが欲するように世界を理解する態度だ。安倍首相は、集団的自衛権容認に踏み込めば、日本が強くなると本気で信じている。誰かが本気で信じていることを、外部から突き崩すことは難しい。それでは、柳澤氏はどのような手法で安倍政権に対抗することができると考えているのだろうか。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出