「最初に知っておきたい認知症」杉山孝博著
認知症患者の家族の介護負担を軽くするための“9大法則”を紹介する本書。認知症を正しく理解することで、認知症特有の困った症状に上手な対応ができるよう分かりやすく解説していく。
例えば、「感情残像の法則」だ。認知症では、記憶障害が起こることで話したり聞いたりしたことはすぐに忘れるが、感情はしっかりと残っている。そのため、間違いを正されると内容は忘れても、相手に対しては“うるさい嫌な人”という感情が残ってしまう。
そこで、患者にどんなことをされてもまず「ありがとう」と言ったり、「ご飯おいしかった? よかったね」などと話の終わりに“共感”を示す言葉を付けるとよい。患者の気持ちが落ち着き、認知症特有の言動も徐々に穏やかになっていくという。
(新日本出版社 800円+税)