「うつの8割に薬は無意味」井原裕著

公開日: 更新日:

 うつ病を治す薬として処方される抗うつ薬。しかし、8割の患者には効果がないと著者はいう。
 厚生労働省の調査では、うつ病の患者数は100万人を超えたとされているから、およそ80万人は抗うつ薬を服用しても意味がないことになる。この事実は、精神科医も製薬会社も古くから知っていたことで、20年前に行われたうつ病に対する偽薬を用いたプラセボ対照試験でも、抗うつ薬で改善した人は60%、プラセボで改善した人が40%で、抗うつ薬を使わないと改善しない人はわずか20%という結果が出ているという。

 本書では、睡眠日誌をつけて睡眠リズムを整えることや、断酒によって情緒の安定を図るなど、抗うつ薬服用の前に行うべき生活改善なども紹介していく。(朝日新聞出版 820円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭