「ヒトラー対スターリン悪の最終決戦」中川右介著
第2次世界大戦の主役はナチス・ドイツで、その最大の敵はソ連のスターリンだったとする著者が、独ソ戦の詳細を描いた歴史読み物。
第1次世界大戦までさかのぼり、ドイツ軍の上等兵として参戦していたヒトラーと、彼より11歳上で革命運動の闘士として流刑の身だったスターリンが、権謀術数と粛清を駆使して独裁体制を確立するまでを克明にたどる。一度も会ったことはないが、お互いに自分に似た「悪いやつ」だと認め合っていた2人が、独ソ不可侵条約を結んだそれぞれの思惑から、民間人を含め4000万人も犠牲になったといわれる独ソ戦の全貌まで。文献資料を基に、独裁者の心理を分析しながらその戦いを描く。
(KKベストセラーズ 870円+税)