【若者たちの現在】ゆとり教育に保守化に草食ブーム。若者たちはどんな時代を生きているのか。

公開日: 更新日:

「ブラック企業2」今野晴貴著

 若者を使い潰すブラック企業の実態が知られるようになったにもかかわらず、なぜ被害は拡大し続けるのか。大半の大学ではブラック企業について教えることなく「とにかく頑張れ」と言い続け、学生も“正社員”というニンジンや企業イメージだけで就職を決めてしまう例が多いと本書。

 採用後に業務の異常に気付いても辞めないのは、研修で「やる気」「責任感」をあおられて洗脳、さらに法的知識の欠如と長時間勤務の中、思考停止状態に追い込まれるからなのだ。

 貧困、競争社会に身を置く若者の心理に付け込む企業の戦略、大学のあおりなど、ブラック企業の実名を出しながら若者を取り巻く社会環境をルポ。日本社会全体のブラック化の構図も見え、恐ろしさを感じる。(文藝春秋 780円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動