【オトコ社会のオンナたち】管理職に進出する女性は増えたが、かえってプレッシャーも強まっている。

公開日: 更新日:

「なぜ女は男のように自信をもてないのか」キャティー・ケイ&クレア・シップマン著 田坂苑子訳

 管理職に進出する女性たちが増えて逆に明らかになったこと。それは「依然として女たちは男社会の中でサバイバルしている」ということだ。著者2人はアメリカのTVニュースで活躍する放送ジャーナリスト。ヒラリー・クリントンらエリート女性たちに直接インタビューした経験もある。本書はそんな経験をふまえて書かれた“女性のためのキャリア論”。

 本書によると、世界的な知名度を持つエリート女性ですら「自分を低く評価する」癖が抜けないという。たとえばIMFのラガルド専務理事といえば銀髪が印象的なフランス女性だが、母国の法律事務所では「絶対に共同経営者になれない」といわれて渡米。そこでキャリアを磨いたが、いまだに男たちばかりの会議に出るために「すべてのことを準備しすぎる」ほどのプレッシャーを感じるという。その大変さを心からわかちあった相手は? という質問の答えが「アンゲラ・メルケル独首相」。なるほど、とうなだれるオヤジさんたちも少なくないだろう。
(CCCメディアハウス1800円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…