違う人生を見せてくれる海外文学にハマろう編
「スクープ」イーヴリン・ウォー著、高儀進訳
亡くなった牧師の妻から頼まれ、著作を完成させたウィリアム・ブートは「デイリー・ビースト」紙の特命記者に任命され、内戦が勃発しているアフリカのイシュメイリアに行くことに。実はパタゴニアの体験記を書いた作家ジョン・ブートを指定されたのに、編集局長が間違えたのだ。
外国に行ったことのないウィリアムは、荷物が飛行機に積み込まれた後で、必要なビザを取ってないことに気がつくという体たらくだった。なんとか入国したウィリアムに電報で指示が送られてくるが、なかなか記事が送れない。だが、特別ソビエト代表が車掌に変装して潜入したという他の記者のスクープがガセネタだと判明した後、ウィリアムはとんでもない情報をつかんだ。自分の名が世界史に載ることになる!
スクープ合戦で狂奔する新聞記者の姿を風刺した傑作長編。(白水社 2400円+税)