【下流と貧困】「下流社会」が流行語になってからはや10年。いまや下流を超えて貧困が固定化しているという。
「若者の貧困・居場所・セカンドチャンス」青砥恭+さいたまユースサポートネット編
著者は埼玉で若者を支援するNPO法人の代表。困窮家庭の子どもたちの学習支援や、引きこもり、無業者状態にある若者の就労支援などを手掛け、昔ながらの「学校-卒業-入社」というライフコースが崩れ去ったことを痛感するという。低成長だからといって「貧困」とは限らないはず。問題は生きがいや社会に参加しているという意識の問題でもあるからだ。大事なのは人生の中で「一時停止」できるような仕組みを生み出すこと。失敗してもやり直せるなら人はチャレンジし、若さゆえの可能性を試すこともできるのだ。(太郎次郎社エディタス2000円+税)