こういう本こそ教養本である
東横線が廃線になるわけではない。車両が消えるわけでもない。単にホームが地上から地下に代わるだけだ。それでも、この大騒ぎだ。本当にバカだなと思う。ただ、ほほ笑ましく、そしてちょっぴりうらやましい気さえしてくるバカだ。
本書には、著者が撮影した全国の絶滅危惧種や絶滅種の鉄道車両写真、切符のコレクション、著者が鉄道マニアになるまでの歴史、中川家の礼二氏との対談、自作の鉄道絵本など、さまざまなコンテンツが満載になっている。
この本を読んだからといって何かの実利があるわけではない。しかし、私のような中途半端な鉄道ファンが読んでも、文句なく楽しいし、こういう本こそが、教養本といえるものなのだと思う。
お勧めの旅行プランも掲載されているので、この本を片手に、車両見学にローカル鉄道の旅をしてみるのも、楽しいのではないだろうか。
★★半(選者・森永卓郎)