【プロパガンダの過去と現在】「戦争法案」騒動で弱腰に終始した大手マスコミ。その裏には権力によるプロパガンダの歴史が深く横たわっている。
「歴史とプロパガンダ」有馬哲夫著
早大でメディア論を講じる著者の立場は明快。プロパガンダとはなにか。自国ではなく敵国民に対して行うもの。少なくとも民主主義国では。しかし、中国や韓国やロシアは独裁体制のなごりで自国民へのプロパガンダを行っている。それだけでもこれらの国は信用に値しない。だが、実は政府ではなくマスコミと学校が国民へのプロパガンダを行う国がある。それが日本だ。戦後の占領下、GHQはNHKを使って日本人へのプロパガンダを行った。日本では占領が解けた後もそれが残存し、大手の左系マスコミはいまもGHQのプロパガンダによる「心理的占領」のままに行動している。
そんな立場で日米開戦から原爆投下、対中国交正常化、尖閣列島問題までを振り返っている。(PHP研究所 1700円+税)