悩める25歳世代の若手社員の“キモチ”

公開日: 更新日:

“近頃の若いヤツらは仕事に対する考えが甘い!”。こんな苛立ちを感じている諸兄にお薦めしたいのが、プロジェクト25実行委員会編「ワーキングピュア白書」(日経BPコンサルティング 1500円+税)。25歳世代の若者に対する取材を敢行し、仕事に対する意識などをルポしている。彼らをとりまく労働環境の現実は、希望が薄く、過酷であり、“情けない”と一刀両断にはできない一面も見えてくる。

 介護福祉施設に勤務する石山みどりさん。自ら望んだ職場で意欲的に働いてきたが、施設には「入所者ができることは手助けしない」という方針があり、戸惑いを隠せない。手助けの線引きが難しく、相談すべき上司は人事管理のみを行っているため、実態に合わない指示ばかりでひとり悩む日々だという。また、基本給が少なく、夜勤をして残業手当をもらっても生活は苦しい。肉体的負担も大きいが、入所者に十分な対応ができないことも、石山さんのやる気をそいでいるという。

 高山博之さんが働いていたのは、ネット通販のベンチャー企業。新規会員を増やす厳しいノルマがあり、入社1年目で残業は月100時間を超えた。忙しさとプレッシャーで体調を崩し倉庫勤務になるが、同期入社がひとりもおらず、仕事の悩みや愚痴を言い合える仲間はいなかった。自己嫌悪がますますひどくなり、3年で退社してしまった。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭