“月並み”じゃない「月の満ち欠け」
また小口に辞書のような「ツメ」が付いており月齢から「呼称」を引く際に便利で、かつ適当に開いたときでもサイクル内の読者の「居場所」が分かる仕掛けになっている。
3章は「月のおはなし」。「潮の満ち引き」「人体への影響」など、月と自然との関係や日食・月食の仕組みを語る一方、百人一首に詠まれた月、竹取物語(現代語訳)も紹介する。
A5判、並製、128ページ。巻末に2020年までの月の満ち欠け早見表が付く。夜空が澄み渡るこれからの季節にぴったり。読者を「月世界」へ誘う、肩のこらないガイド本である。
(宝島社 1200円+税)
▽みやぎ・あずさ 工作舎アートディレクター。1964年、宮城県生まれ。東北大学文学部仏文科卒。1990年代から単行本、企業パンフレット、ポスター、CDジャケットなど幅広く手掛ける。