公開日: 更新日:

「二十世紀酒場 一 東京・さすらい一人酒」多田欣也著

 お世辞にもうまいとは言えない、しかしなんとも味のある手書きの絵と文字。だからこそ酒場の飾らない雰囲気と脱力感が伝わってくる。都内の酒場を飲み歩いた筆者(職業はガーデンデザイナー)によるイラストエッセー本である。

 老舗名店、立ち飲み、大衆食堂はもちろんのこと、角打ち(酒販売店で飲める店)情報にも詳しい。さらには肉屋・魚屋・総菜屋・かまぼこ屋で「飲める店」も。小岩・新小岩・立石周辺が飲んべえの聖地であることは間違いないようだ。

 したり顔でうんちく傾けるでもなく、酒場のマナーと情緒を控えめにつづる著者。彼が酒場の世界遺産に選んだという新小岩の「大林」や小岩の「銚子屋」などは、すぐにでも繰り出したくなる。

(旅と思索社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出