公開日: 更新日:

「二十世紀酒場 一 東京・さすらい一人酒」多田欣也著

 お世辞にもうまいとは言えない、しかしなんとも味のある手書きの絵と文字。だからこそ酒場の飾らない雰囲気と脱力感が伝わってくる。都内の酒場を飲み歩いた筆者(職業はガーデンデザイナー)によるイラストエッセー本である。

 老舗名店、立ち飲み、大衆食堂はもちろんのこと、角打ち(酒販売店で飲める店)情報にも詳しい。さらには肉屋・魚屋・総菜屋・かまぼこ屋で「飲める店」も。小岩・新小岩・立石周辺が飲んべえの聖地であることは間違いないようだ。

 したり顔でうんちく傾けるでもなく、酒場のマナーと情緒を控えめにつづる著者。彼が酒場の世界遺産に選んだという新小岩の「大林」や小岩の「銚子屋」などは、すぐにでも繰り出したくなる。

(旅と思索社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動