「小説集 真田幸村」末國善己編
明年のNHK大河ドラマの主人公は、大坂夏の陣で家康をあと一歩のところまで追い詰めた名将真田幸村。本書は、武田信玄に仕えた幸村の祖父・幸隆、父・昌幸、幸村の3代を描いた時代小説を編んだアンソロジー。
真田家は平安時代から北信濃を支配する清和源氏の名家・滋野氏の支族・海野氏を祖にする。幸村の曽祖父・海野棟綱と息子の小次郎(後の幸隆)を描く南原幹雄の「太陽を斬る」をはじめ、幸村に仕えた十勇士の一人、猿飛佐助を主人公にした山田風太郎の「刑部忍法陣」、そして幸昌・幸村生存説を題材にした井上靖の「真田影武者」や真田家をライフワークにした池波正太郎の「角兵衛狂乱図」まで大御所たちの作品8編を収録。
(作品社 1800円+税)