「副作用が出ないIPT抗がん剤療法」奥野幸彦著
抗がん剤には激しい副作用があるが、これを軽減する画期的な治療法がIPT抗がん剤療法だ。IPTは日本語でインスリン増強療法と訳される。インスリンには細胞膜の透過性を高める作用があり、これを用いて薬の効果を増強するというものだ。
IPT抗がん剤療法ではインスリンと抗がん剤を併用し、抗がん剤の透過性を高める。すると、通常の10~20%の抗がん剤で、標準治療で行っている抗がん剤治療以上の効果が得られるそうだ。
この治療法のメリットは副作用がほとんど表れないことと、治療の回数を増やせること。正常細胞へのダメージが少ないため、頻回に抗がん剤治療が行え、それだけがん細胞を叩くことが可能になるという。
実際の症例とともに、その効果を明らかにしていく。(現代書林 1300円+税)