「犬はあなたをこう見ている」ジョン・ブラッドショー著、西田美緒子訳
動物行動学の第一人者が、犬の知力や知覚、感情などを解説した動物本。
かつて犬は人間にとって狩りの手伝いや羊の番など「道具」だったが、ペットとなることによって、以前よりも行儀よくすることを期待されるようになった。そして、犬の祖先であるオオカミの性質から「力の上でかなわない」と思い知らせることによってコントロールする「できなければ罰する」というしつけ方が横行した。
そもそもそのオオカミの性質が誤りだったと、適切なしつけ方を解説。オオカミがどのようにして犬になったのか。その進化の歴史をたどりながら、犬の「人懐こさ」の理由や、犬が周りの世界をどのように把握しているかなどを解き明かした愛犬家必読の書。(河出書房新社 980円+税)