「発達障害 うちの子、人づきあいだいじょーぶ!?」かなしろにゃんこ。著
落ち着きがない、感情のコントロールが苦手、空気が読めない……といった特徴から、人間関係につまずくケースが多い発達障害。全国の公立小中学校で、発達障害により「通級指導」を受けている児童・生徒は9万人を超えていて、「将来、うちの子は自立できるのだろうか」と不安を抱えている親も増えている。
発達障害の息子を持つ著者は、前著で自立のためのノウハウを教育現場や支援団体の当事者に取材し、マンガで分かりやすくリポート。今回の新著では、発達障害の人が友達や恋人との関係を長続きさせるコツや方法を当事者の体験談を通してマンガで伝えている。
たとえば、まず「体のつらさをとる」ことを心がける。発達障害の人は特定の刺激に苦痛を感じ、結果的に人間関係がうまくいかなくなるケースが多い。しかし、体調がよくなると、感覚の過敏性が軽くなる人もいる。規則正しい生活や適度な運動を続けると、気持ちが安定して、周囲との折り合いもうまくつけられるようになるという。
当事者の悩みと解決策が詰まった一冊だ。(講談社 1400円+税)