「心が折れる職場」見波利幸著

公開日: 更新日:

 上司は従来のノウハウや慣例にとらわれず、部下個人を観察し、何か問題を把握し適切なサポートをする。それこそが上司の本業なのだ。

「最悪なのがプレーイングマネジャーです。例えば10人のチームがあって、9人はそれぞれ1000万円の利益を上げる。上司は経験も豊富なので利益は1500万円。『オレが一番働いている』となりがちなんです。しかし、それは大きな勘違い。上司の出す利益は500万円、いや、0円でもいいんです。部下のスキルや知識が不足していればそれを補い、常にサポートを欠かさないようにする。そうやって、一人一人が2割増しの1200万円の利益を出せるようになれば、全体としての成果も高くなる」

 そのためにも、日頃から職場で仕事の話を気軽にできる、あるいは仕事以外の話ができる空気をつくらなければいけない。人間関係を構築しないことには人の顔というものは見えてこないからだ。
「メンタル不調と聞くと、すぐに『本人に原因がある』と画一的な見方をされることが多い。でも、それでは復職してもまた同じことの繰り返しです。そうした現状を何とかしたくて書いたのが、この本なんです。管理職や企業の経営層にこそ読んでほしいですね。そして、社員の家族にまで思いを馳せるようになってほしい。それを実践できれば、心が折れる職場はなくなると思います」(日本経済新聞出版社 850円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭