「今日という一日のために」近藤勝重著

公開日: 更新日:

 毎日新聞夕刊の人気コラム「しあわせのトンボ」連載10周年を記念した傑作選集。

 少年時代によく渓谷で遊んだ著者は、ある日、誘われるように川辺に立ち寄り、子供のころのように小石を早瀬に投げているうちに、童心とは無縁の寂しいような虚しいような気持ちになった。人生の風景が変わり、子供のころのように毎日が楽しいと思うことはなくなったと振り返る。一方で、自然とともに過ごすことのない今の子供たちの行く末を案じる「川風に吹かれて」のほか、身近な草花・花木から、定年男たちのその後、無為に過ごしたように見える日に出会った「笑いの天使とともに」など。日常の点景から世相までしみじみとした文章でつづる。(幻冬舎 1100円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭