「〈ふつう〉から遠くはなれて」中島義道著
著者は20歳のとき、華厳の滝から飛び降りる覚悟で「哲学」を選んだ。その後、17年間「人生の荒波」に揉まれつづけ、最近、ニーチェの「延命愛」という思想を了解しはじめた。それは「何ごとも起こったことを肯定せよ。一度起こったことはそれを永遠回繰り返すことを肯定せよ」、つまり、自分に起こったこと全てを「私の意志がもたらしたもの」と捉えなおすことだ。他人に嫌われても、孤独とは課せられたものではなく、自分が選びとったものと考える。こうした価値転換の技術を身につければ、人は安全で、自由なのだ。
人生の捉え方を変えてくれる名言集。(青春出版社 1300円+税)