52歳の小仲は、早期の胃がんが見つかり手術。担当医の森川は、95%治ると断言したが、11カ月後に肝臓へ転移。苦しい抗がん剤治療に耐えたが、がんはさらに腹膜にも転移し、森川からもう治療法がないと余命3カ月を告げられる。
セカンドオピニオンを求めて訪ねた大学病院では、他の小さな病院を紹介され失望。そんな中、小仲は新聞で抗がん剤を専門に扱うがん薬物療法専門医の存在を知る。
一方、小仲に下した結論に自信を持つ森川だが、もし自分が患者だったらと考えると答えが見つからない。
医者と患者の関係を描く第3回日本医療小説大賞受賞作。(朝日新聞出版 680円+税)