民主主義だから読書が真価を発揮する

公開日: 更新日:

 読書は基本的に1人で行う作業だ。この孤独な作業を通じて思考力を徹底に的鍛える。ただし、「知識のための知識」には意味がない。現実に知識を生かしたときに初めて知識は意味を持つのである。

 そのようなことが保証されるのは、個人の内心の自由と政治活動が保証されている民主主義制度の下においてだ。現下の日本政治にはさまざまな問題がある。尊敬できる政治家や官僚も少ない。それであってもわれわれは、諦めてはいけない。本を読んで、よく考えた上で友だちと議論する。この過程を通じて自分の考えが形成される。このようにして読書を通じて個人は社会とつながることができるのだ。1人1人の力は微力であっても、決して無力ではない。そのような勇気を本書は読者に与えてくれる。 ★★★(選者・佐藤優)

【連載】週末オススメ本ミシュラン

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭