「災神」江島周著
地下のバーで意識を取り戻した天音は、崩れた壁をぶち破り外に出た。出雲の市街は一面、ガレキになっていて、人の姿は見えない。軽自動車の中にいた少女、アキラと出会って話を聞くと、海から何かがやってきて街を壊していったという。天音が会社の研究所にたどりつくと、研究所にいたため命拾いした阿久津が街を襲ったものの正体を教えてくれた。6年前、日本海沖のメタンハイドレード濃集帯の近くで発見されたミズチと呼ばれる未知の巨大生物で、海洋プールで冬眠させていたはずだった。それが冷却設備の故障で目覚めてしまったらしい。異変に気付いたが事態を把握できないまま、自衛隊が救出に向かうが……。
未知の生物との熾烈な闘いを描くサスペンス。
(KADOKAWA 1550円+税)