「人形は指をさす」ダニエル・コール著、田口俊樹訳
早朝、ロンドン警視庁の部長刑事ウルフは事件を知らせる電話で叩き起こされる。現場は彼が転居したばかりのアパートの向かいだった。現場の部屋には、6人の遺体をつなぎ合わせてつくった1人分の死体が天井から吊るされていた。その顔部分にウルフは見覚えがあった。27人もの若い売春婦を生きたまま焼き殺した火葬キラー、ハリドだった。
さらにウルフは、何本もの糸で固定された遺体が指さしているのが自分の部屋だと気づく。すぐに無期懲役で刑務所にいるはずのハリドが死に、病院から首だけ持ち去られていたことが分かる。
やがてウルフの元妻の元に、現場の写真と6人の名を記した殺人予告が届く。
英国の新人作家の注目のデビュー作。
(集英社 1100円+税)