脳に炎症を起こさせない食習慣のすすめ
「脳にいい食事大全」ミシェル・ショーフロ・クック著 児島修訳
脳の健康状態を左右するもの。それは「炎症」であるという。脳の疾患といえば脳梗塞やパーキンソン病、アルツハイマー病など重篤な疾患ばかりを思い浮かべるが、そこに至るまでには脳に小さな炎症が繰り返し起こり、ダメージが蓄積されて疾患へとつながっていく。つまり、脳の健康を維持するには小さな炎症を起こさせないようにすることが重要であり、そのためには炎症のもととなる食習慣を改めることが必要なのだという。
現代人の脳に炎症を起こす最大の原因となっているのが、トランス脂肪酸だ。ファストフードやスナック菓子、ケーキ、パン、カップラーメンなどのほか、さまざまな加工食品や外食料理にも多く含まれている。人間の脳の6割は脂肪でできており、脳細胞を健全な状態に保つためには食事から十分な脂肪を取ることが不可欠だ。しかし、現代人の多くはトランス脂肪酸を日常的に口にし、脳にダメージを与えている。油を取る際にはトランス脂肪酸を極力排除し、オリーブオイルや亜麻仁油、チアシードオイルなど、脳を炎症から守るオメガ3脂肪酸を多く含むものを選ぶようにしたい。
本書では、白砂糖や牛乳など避けるべき食品のほかに、脳の機能を高める21種のスーパーフードも紹介。ザクロやブルーベリー、セロリにローズマリーなどの効果的な取り方と、おいしい食べ方も解説していく。脳を健康に保つためには、日々の食事の積み重ねが大切であると肝に銘じよう。
(ダイヤモンド社 1500円+税)