「貝社員 浅利軍平」浜口倫太郎著
浅利軍平はビール会社の営業マンだが落ちこぼれで、本社ビル地下の営業4課に配属されている。同僚からは、海の底、砂に埋もれている貝になぞらえて、「貝社員」と揶揄されている。実際やる気ゼロ。外回りに出ても漫画喫茶で昼寝。そんな4課に元Jリーガーだという川畑が入社してくる。
翌日、浅利は課長命令で、川畑を連れ、新橋の飲食店にあいさつ回りに行く。ライバル会社に独占されているこの界隈で、川畑が果敢に攻勢に出るのだという。ここから貝社員たちが変わり始めた。目標に定めたのはクリエーティブな新商品の開発で、研究所の同僚のおかげで開発には成功するのだが……。
落ちこぼれたちの涙ぐましい奮闘を描いた痛快エンターテインメント小説。(講談社 1550円+税)