「日本型組織の病を考える」村木厚子著
著者は09年、大阪地検特捜部による冤罪事件で半年近くの勾留生活を強いられた元厚労省官僚。事件では、検事によるでたらめな調書作成や証拠の改ざんなどが明らかになり、後の司法制度改革につながった。そんな当時の生々しい体験や、自らの公務員人生を振り返り、不祥事を繰り返す日本型組織の病理の本質を解き明かす。
財務省による決裁文書の改ざんやセクハラ事件、日大アメフト事件などを例に、「間違いを認めない」「プライドが高い」「外との交流が少なく、同質性が極めて高い」など、不祥事を起こす組織の共通点を指摘し、その解決策を説く。さらに、公務員時代に取り組んだ課題や、退官後に始めた女性支援活動などを語りながら、村木流世直しの取り組み方を公開。
(KADOKAWA 840円+税)