「ふるさとおれたちの故郷」佐川光晴著
震災から1年後、仙台の高校に通う陽介は、札幌の児童養護施設・魴鮄舎でともに中学時代を過ごした親友の卓也と再会する。
卓也が進学した青森のバレー強豪校と宮城選抜が復興支援の試合を行うことになって、招待されたのだ。卒業後、初めて会う卓也は、U―19にも選抜される選手になっていた。
その夜、陽介が暮らす寄宿舎で旧交を温めていた2人に、同じ施設出身の奈津から施設を運営する惠子が魴鮄舎を閉鎖するつもりらしいとメールが届く。行政の指導が入り、耐震工事が必要だが、資金がないのが理由らしい。しかし、他にも訳がありそうで、1カ月後、勉強や練習が手につかない陽介や卓也は、札幌に向かう。
人気シリーズ「おれのおばさん」第1部完結編。
(集英社 520円+税)