「校長、お電話です!」佐川光晴著
柴山緑郎、通称シバロクは47歳の若さで母校・百瀬中学の校長に抜擢される。同校は、市長が教育改革の目玉として民間人校長を招いた結果、荒れに荒れた問題校で、シバロクは立て直しを託される。新年度がはじまり20日が経った。ようやく、校長の仕事にも慣れてきた朝、教育事務所の指導主事・幸田から、休職中の女性教諭・石川が自殺を図り病院に運ばれたと連絡が入る。石川は、荒れた生徒たちの対応に疲れ、うつ病を発症していたのだ。数日後、校内でたばこの吸い殻やビールの空き缶が見つかる。夜、卒業生たちが立ち入り、嫌がらせのために置いていったようだ。
教育現場の実情を伝えながら新米校長の奮闘を描く学校小説。
(双葉社 611円+税)