「おれたちの約束」佐川光晴著
父親の服役で生活が一変、札幌の児童養護施設から中学に通った陽介は、仙台の高校に進学する。入試を2位の成績で合格した陽介は、寮で暮らしながら、東大現役合格を目指し、勉強漬けの日々を送っていた。
父親のことを知られたくない陽介は、友達になった同じクラスの中本や菅野との会話にも気を使う。そんなある日、生徒会の役員選挙が行われ、中本が立候補する。しかし、その最中、誰かが囁いた中本の親に関するスキャンダラスな噂が会場全体に広がる。公正な選挙を行うため、推薦を受けて候補のひとりに加わった陽介は皆の前で自分の父親のことを話し始める。
陽介とその仲間の成長を描く青春大河小説「おれのおばさん」シリーズ第3弾。(集英社 500円+税)