「人生100年時代!腸から始める 加齢の極意」藤田紘一郎著

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 今、100歳を越えても健康で長生きしている人たちは、1世紀(センチュリー)を生きたという意味で「センテナリアン」と呼ばれている。そして、世界各国でセンテナリアンの研究が進むうち、彼らの特徴として“体内に慢性炎症が少ない”ことが分かってきたのだという。

 慢性炎症はなぜ起こるのか。その大きな要因のひとつが「腸もれ」だ。これは、腸が本来持っているバリアー機能が低下し、腸壁に細かな穴が開くことで起こる。すると、普通は吸収されない未消化の高分子タンパク質がそのまま体内に吸収され、異物として認識され、抗体が作られることで食物アレルギーや自己免疫疾患が起こりやすくなる。

 また、腸もれが起きると細菌が作り出す有害物質が血液に漏れ出し、体内を駆け巡ることになる。すると、さまざまな箇所で慢性の炎症が起こり、動脈硬化や慢性肝炎、炎症性腸炎などを引き起こすのだ。

 腸のバリアー機能低下は、感染や遺伝的素因、抗生物質、薬剤の使用過多などさまざまな原因で起こるが、偏った食生活も見過ごせない。腸内細菌は食物繊維を食べて短鎖脂肪酸という物質を作り、腸の粘膜を強化する重要な役割を担っている。

 しかし、食物繊維が著しく不足すると、腸内細菌のエサがなくなり、仕方なく腸粘膜を食べ始めてしまう。これにより腸のバリアー機能が衰え、腸もれの原因になるのだという。

 本書では、食物繊維を積極的に取ることはもちろん、腸に負担をかけるグルテンの摂取は控えること、血中コレステロールは少し高めを維持すること、また瞑想や笑いで心の加齢を遅らせることなど、人生100年時代を健康に生きるためのさまざまな極意を紹介していく。 (ワニブックス 830円+税)

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