「土・牛・微生物」デイビッド・モントゴメリー著 片岡夏実訳

公開日: 更新日:

 そこで著者は犂を使わない不耕起栽培、土中の菌根菌などの微生物を活性化させ、化学肥料を用いない有機農業への転換を提唱する。さらに、牛などの家畜を集約的に放牧することで土壌の肥沃度を高められる事実も報告している。牛が好ましくない牧草を食べ、その糞により炭素の富む草地が拡大する――ひいては大気中の二酸化炭素の濃度が低下する。つまり、牛は地球温暖化の元凶ではなく救世主となるというわけである。

 著者のいう「革命」の中核をなすのは生物多様性と持続可能な農業の2つ。その具体策もふんだんに記されている。豊かな未来へと希望をつなぐ福音の書。

<狸>

(築地書館 2700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭