「月はすごい」佐伯和人著
月探査プロジェクトに携わる著者によると、人類は今まさに宇宙への大航海時代の始まりにいて、同時に宇宙を舞台にした産業革命も始まろうとしているという。そのカギを握るのが月だ。この「7番目の大陸」をどのように開発していくかで、今後の太陽系の「世界地図」が決定するといっても過言ではないそうだ。本書は、最新の探査や研究で得られた知見をもとに月について解説したサイエンステキスト。
月の成り立ちから、月が満潮や干潮をつくり出す仕組みなどの基礎知識のおさらいまで。さらに月面環境、水資源や金属資源の有無と可能性、そして「かぐや」が見つけた巨大な地下空間や、宇宙開発の拠点としての月の役割も。あらゆる視点から月というフロンティアについて詳述する。
(中央公論新社 820円+税)