「錆びた太陽」恩田陸著
エコテロリズムによって原発が破壊され、日本各地に立ち入り制限区域が出現してから百余年後。北関東エリアの制限区域を管理するロボットチーム「ウルトラエイト」のベースキャンプを、国税庁の職員を名乗る徳子が訪ねてくる。徳子は、ロボットたちに制限区域内に出没する「マルピー」の実態調査への協力を依頼する。
しかし、チームのリーダー「ボス」をはじめ、ベースキャンプのメインコンピューター「トンボ」も事前にあるはずの徳子来訪の知らせを受けていなかった。それでも徳子に従い、マルピーが現れそうな地区に向かうと、彼らを待ち構えていたようなトラップが次々と現れ、ボスはキャンプへの撤退を指示する。
日本人が直面している不条理な世界をユーモアに包んで描く長編小説。
(朝日新聞出版 740円+税)