「地域活性マーケティング」岩永洋平著
地方の存続のためには産業の発展が不可欠。本書では、「ふるさと納税」をはじめとする政府と自治体の政策や、地方の事業者の実践を検証し、望ましい地域発展、地域支援のあり方をマーケティングの視点から考察する。
地方の大きな期待を寄せられ始まった「ふるさと納税」だが、本当に地方のためになる制度なのか疑問も寄せられている。独自に実施した意識調査では利用者の6割が返礼品や節税などの利得目的で、生育地やふるさと・地方のことを考えていない人たちだった。
制度をさまざな視点から検証して浮かび上がる瑕疵(かし)を指摘。一方で地域産品のブランド化に成功して地域社会に貢献している企業の成功の秘密を分析するなど、地域を活性化する仕組みと戦略を提案する。
(筑摩書房 860円+税)