「ふしぎ地名巡り」今尾恵介著
「上田」という地名は各地にあるが、東京都日野市のそれは「かみだ」、福井県小浜市では「かみた」、東京都大田区南六郷にあるバス停(旧地名)は「じょうでん」と、字面は簡単なのに誤読しやすい地名は意外に多い。同じくあの2人のように地名の羽生も読み方が2通りあるが、ハニュウもハブも粘土質の土地に付く地名で、元は埴輪(はにわ)の「埴」の字を羽に置き換えたもの。東京都北区の赤羽も同類で、関東ローム層の赤土が目立つことから名付けられた。
こうした全国の地名の由来や意味を一つ一つ読み解いていくエッセー。
身近な地名から、「南あわじ市市市」「ポンポン山」などの珍名、そして町をチョウ・マチのいずれで読むかの法則性など。一筋縄ではいかぬ地名を巡る面白エピソード満載。
(筑摩書房 720円+税)