「感染症専門医が普段やっている 感染症自衛マニュアル」佐藤昭裕著

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスとの闘いが続いている。ワクチンや特効薬ができるまでは、個々で感染予防を徹底していくしかない。本書では、テレビでも活躍する感染症専門医の著者が、院内で行ってきた厳しい感染症対策の経験を生かし、日常生活の中でもできる具体的な予防策を紹介している。

 手のアルコール消毒が新しい習慣になっているが、正しく行えていない人も少なくない。

 まず心掛けたいのが、「ワンプッシュ押し切る」ことだ。多くの製品では押し切って出た量が適量となっている。手からあふれると多すぎると感じるかもしれないが、両手をしっかりと消毒できる適量を取るためにも、ワンプッシュ押し切ることを心がけよう。

 また、手にアルコールを受け取ったら、乾くまで揉みこむこと。手をパタパタと振って乾かそうとする人がいるが、これでは両手全面に行き渡らないうちにアルコールが揮発してしまい、効果半減だ。手洗いと同じように、手首から指先までしっかりと揉みこむのが正しい消毒の仕方だ。

 電車やバスなどの公共交通機関の中では、出入り口付近よりも奥の方が感染リスクは低いと本書。出入り口の方が換気がよさそうだが、多数の人と間近で接する機会が多くなる出入り口付近の方が感染リスクは高くなるそうだ。さらに、立っている人よりも座っている人の方が低い位置にいることから、飛沫を浴びやすい。このことから、公共交通機関では「車内の奥側」に「立っている」ことが予防策につながると著者は解説している。

 宅配物に触れたらすぐに手洗い、手をふくにはペーパータオルがベストなど、家庭内で感染を広げない工夫も解説。新しい習慣を身につけてコロナに打ち勝とう。

(SBクリエイティブ 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…