「寝るときにスマホをベッドに置いてはいけない」村上剛著
耳鳴りがする、イライラする、頭が重い……。このような体調不良に悩まされており、しかし原因が分からないという人は、スマホの使い方が原因かもしれない。とくに、毎晩スマホの目覚ましをセットして枕元に置いて寝ているとしたら、今すぐにやめた方がいいと脳科学を学んだ柔道整復師の著者は警告する。
スマホと体調不良にどんな関係があるのか。その鍵を握るのが、スマホから出ている電磁波であり、大きな影響を受けているのが大切な脳であるという。脳は神経細胞の塊であり、およそ140億個の細胞たちが相互に電気を流し、連携を取っている。この電気の流れがスマホから出る電磁波によって乱されると、不眠や疲労、頭痛などさまざまな体調不良の原因になるという。現在のところ健康被害の科学的根拠は示されていないが、多くの患者を診てきた著者は電磁波による影響の可能性を否定できないとしている。私たちの脳は、頭蓋骨の中で脳脊髄液という液体に浮かんでいて、脳脊髄液は脳の内部にある脳室から体全体へと循環している。しかし、スマホを体の正中線上、つまり顔の正面や胸の前など体の真ん中を通る線上に保持し続けると、脳脊髄液の流れが止まってしまうことが分かっている。脳への悪影響も十分考えられるわけだ。
そして、正中線上ではないにしろ枕元にスマホを置いて寝るということは、電磁波の発生源を頭のすぐ近くに置いたまま6~8時間も過ごすということ。脳への影響を避けたいなら、就寝時はスマホを別室に置くか2メートル程度は離すか、どうしても近くに置いて就寝する場合は電波を発しない機内モードにするべきと。
スマホとの付き合い方を見直してみては。
(主婦の友社 1100円+税)