「ぐるぐる♥博物館」三浦しをん著
人気作家が、興味の赴くままに各地の博物館を訪ね歩く探訪記。
初回に訪ねるのは、長野県茅野市にある「尖石縄文考古館」。学生時代の教科書で見た縄文式土器は確かにダイナミックだったけど、しょせんは土器。「土色」の地味な展示内容を想像していたが、館内に一歩足を踏み入れると全然違っていた。確かにどこを見ても土器だらけなのだが、多種多様で見ていて飽きない。そして、孫娘から石棒(男性器を模した石の棒)についてたずねられた祖母の応対に内心で突っ込みを入れる。
ほかにも、国立科学博物館から日本で唯一のSM・フェティシズム専門図書館「風俗資料館」まで。学芸員に素朴な疑問をぶつけながら、先人たちが残した努力と汗の結晶を見て回る。
(実業之日本社 680円+税)