「嫉妬の正体」谷沢永一著

公開日: 更新日:

「人間性の究極の本質は嫉妬である」と説いた著者が残した名著の復刻。

 悪徳の最たるものとして語られる嫉妬だが、日本人は嫉妬心が強く「他を圧して抜きんでた顕著な存在を、許容したがらない傾向を持つ」と指摘。一方でその嫉妬心が日本の国際競争力を促す動因になった面もあるという。

 実業家の松下幸之助は、嫉妬とは万有引力のようなもので精神力で取り除くことはできない。ゆえに嫉妬心はキツネ色に程よく妬(や)くならかえって人間の情は高まると語っている。

 そうした先人たちの言葉をひきながら、嫉妬と羨望の違いなど、嫉妬の正体に迫る。

 坪内逍遥に激しく嫉妬した森鴎外など、有名人らのエピソードを紹介しながら、自らの嫉妬心との向き合い方や、他人からの嫉妬の避け方などを語る。 (祥伝社 900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…