「空想居酒屋」島田雅彦著

公開日: 更新日:

 長年、国内外の酒場を飲み歩き、自らも包丁を握る作家による食エッセー。これまで訪れた居酒屋や楽しんだ酒と肴(さかな)、出会いを思い浮かべながら、理想の居酒屋をプラン。そして最後には、思い描いた空想居酒屋を一夜限りで開店するまでをドキュメント風につづる。

 以前訪ねたときの充実の食い倒れ体験が忘れられず再々訪した韓国・全州マッコリタウンの旅に始まり、自宅近くでふらりと入った何の変哲もない店で考えた居酒屋の「離れ」的役割、仕事で出かけた高知では室戸岬まで足を延ばし、100均で買い揃えた道具と魚屋で手に入れた食材で即席バーベキューを楽しみ、臨時居酒屋で出す魚について考えるなど。

 うまい酒うまい肴の情報もふんだんに盛り込みながら、理想の居酒屋を実現する。

(NHK出版 950円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…