「月夜に溺れる」長沢樹著
神奈川県警生活安全部に所属する霧生は、テレビ局のディレクター・浦川と交際を始める。県警刑事部の元夫・遊佐の紹介だった。遊佐は、2人の間にできた息子の渉を引き取り、今の妻・直海と育ててくれている。
一方の霧生は、前夫・伊地智との間にできた娘・紗霧を育てている。仕事にも恋愛にも後先考えずに猪突猛進してしまう霧生は、遊佐と結婚中に紗霧を妊娠してしまったのだ。
霧生は、ジョギングが趣味の浦川のホームコースの公園でデートを重ねる。そんなある日、鶴見川の河川敷で女子高生の他殺体が見つかった。霧生は、捜査を担当する伊地智から、被害者の携帯電話の履歴に細川の名前があったと教えられる。(「少しだけ想う、あなたを」)
恋愛体質ゆえに事件を呼び込んでしまう霧生を主人公に描く連作集。
(光文社 780円+税)