「介助の仕事」立岩真也著
国の主要な制度である公的介護保険とは別にある、障害者の介護を担う「重度訪問介護」制度の仕組みを解説しながら、介助(介護)という仕事の本質に迫るテキスト。
公的介護保険は重い等級でも最大1日2時間程度の訪問介護しか受けられないが、重度訪問介護では最大で毎日24時間、同時に2人のヘルパーまで利用できる。夜間、寝ているときでも痰の吸引などが必要だからだ。
基本的には、本人=利用者のいるところに出向いて、付き添い、その人の指示があれば、それに従って動くというもの。ゆえに主体性を必要としない仕事でもあるという。その仕事をするということ、その仕事を使って生きるということ、そして制度の現状と未来について、ヘルパー、利用者双方の視点から語る。
(筑摩書房 902円)