「冬華」大倉崇裕著
倉持は、かつて自分を救ってくれた深江と、月島で便利屋を営んでいる。その深江が忽然と消えた。深江の写真を入れたクリアファイルを持って歩いていると、車が横付けになって倉持を車内に引きずり込んだ。後部シートにいた男が、「深江なんて男は最初からいなかった」と倉持を脅して去った。
一方、雪のブナ林で猟をしていた植草は、ベンツで現れた熊本と名乗る男に「人を……撃って欲しい」と頼まれた。施設に預けている孫と暮らせるだけのものは用意していると言われ、こう答えた。
「引き受けよう。ただし、一つ条件がある」
元自衛隊特殊部隊員と、凄腕の猟師が極寒の穂高岳で対決するアクション小説。
(祥伝社 1870円)