「馬疫」茜灯里著
パリのコロナ禍が収まらないため、2021年に続いて2024年にも東京でオリンピックを開催することになった。日本馬術連盟の登録獣医師、一ノ瀬駿美らは、馬インフルエンザを心配していたが、やがて、山梨県の小淵沢で狂騒型の馬インフルエンザがはやり始めた。
動物公園のシマウマが飼育員に体当たりして負傷させる事件が発生。さらに、川崎競馬の練習馬場から馬十数頭が脱走、制止しようとした調教助手が蹴られて重体に。駿美は川崎に向かうが、途中で遭遇した鹿毛の馬が車のフロントガラスを突き破り、車内に首を突っ込んだ。
獣医師が未知の馬インフルエンザウイルスと闘う理系ミステリー。
(光文社 1870円)