「キネマの天使 レンズの奥の殺人者」赤川次郎著
亜矢子は、正木監督の新作映画の撮影現場でスクリプター(記録係)を務めている。ある日、時間になっても主演の納谷の代わりを演じるスタントマン・安井が現れない。亜矢子がスタジオで見かけた男性をスカウトして、無事にそのシーンの撮影が終わる。
倉田と名乗った男性は実は刑事で、高級ホテルの一室で安井の他殺体が見つかり、捜査中だという。数日後、亜矢子は新人女優のエリから、妻子がいる安井と中堅女優の由美が一緒に車に乗り込むのを見たと聞く。
その夜、匿名の電話に呼び出された亜矢子が撮影所の裏門に行くと、不審な車が駐車していた。乗っていたのは、何者かに刺された由美だった。
映画監督になりたかったという著者が、映画への愛を込めてつづった長編ミステリー。
(講談社 924円)