「土になる」坂口恭平著
誰もが同じスーパーで食料を手に入れることに疑問をもった著者は、市役所に電話してファミリー農園を紹介してもらった。たまたま電話がつながったヒダカさんの畑を借りて、雲仙岳を見晴らす地で農業を始める。
ヒダカさんが野菜は夜育つと教えてくれたが、朝や昼に水をまくと夜までに水が蒸発してしまう。著者は西日を浴びると鬱になるので、以前は午後3時から6時までアトリエにこもって絵を描いていたのだが、植物のことを考えて日課を変更。午後5時すぎに西日を浴びながら畑仕事をすることに。土の時間に合わせるようになったら、体の調子がいい。
「TOKYO 0円ハウス0円生活」の著者が、土とふれ合うことで再生していく日々をつづる。
(文藝春秋 1870円)