「ハブられても生き残るための深層心理学」きたやまおさむ著
「ハブられる」とは、仲間はずれにされる、という意味だ。自分だけがのけ者にされると感じてしまうのはなぜだろうか。私たちは幼児期に、人には裏と表があることを経験し、その悲劇が台本となって繰り返される。その「心の台本」を書き直していくことを著者は提唱する。
人には表の舞台から降りて、ひと息つくことができる楽屋が必要なのだ。人はみなそれぞれに異類の部分をもっており、それを隠して人間の劇に参加している。人間の二重構造を知ることで自分だけが異類ではないことに気づき、「心の台本」を改訂していくことが、その後の人生を生きやすくすることにつながる。
疎外感から抜け出して自分らしく生きるためのヒント。
(岩波書店 1760円)